シロアリの生態

シロアリ 参考写真     (クリックすると画像が見れます)→
ヤマトシロアリ イエシロアリ
加害材木中にコロニーができる
特別な巣を作らない
屋根裏・床下・土中・立木中・立木の根のした、壁の中に木クズなどを固めた巣を作る
加害木材 湿った木材を好む 湿った木材とは限らない
加害部分 地中から近い部分のみ 地上から上方、屋根裏まで
コロニーの大きさ(生息数) 1,000~100,000匹 50,000~1,000,000匹
分布図 ヤマトシロアリの分布図 イエシロアリの分布図
区分 ヤマトシロアリ イエシロアリ
羽アリ 体長・体色 4.5~7.5mm、淡黒色 4.5~6.5mm、淡褐色
飛び立つ時期 4月中旬~5月中旬 6月~7月
飛び立つ時刻 雨後のむし暑い昼間 夕方から夜間、灯火に群飛
兵アリ 体長 3.5~6.0mm 4.5~6.5mm
頭部 体長の約1/2 体長の約1/3
頭形・頭色 円筒形、淡黄色 卵型、淡黄色
特徴 乳白色の液は出さない 乳白色の液を出す

●シロアリと黒アリの羽アリの違い

触角 じゅず状 「く」の字形
翅 (はね) 前、後の翅が同じ大きさ 前翅が後翅より大きい
ずん胴 くびれている

●シロアリの被害の特徴

シロアリはどこから侵入するのか?

シロアリは殆どの場合地面から侵入してきます。
ヤマトシロアリ、イエシロアリは、地中から侵入してくるため、「土壌性シロアリ」と呼ばれています。
ただし、雨漏れや水漏れなどで水分補給が出来る場合などは、壁の中や屋根裏に巣を作る場合も見られます。

通常は羽アリが飛来してきて、いきなり家屋を食害することはまずありません。
長期間の雨漏れや、常に湿っている場所(ベランダの裏など)があれば、
稀に上層階でもそこに巣を作る場合があります。

●シロアリはアリの仲間ではなくゴキブリの仲間です

シロアリとアリは、色の違い以外は外見上も社会生活をする という点でも良く似ていますが、分類学上では等翅目といって、ゴキブリにの仲間で、約3億年前から地球上に生息しておりあまり進化していません。
ちなみにアリは、膜翅目に分類され、ハチの仲間です。
成長過程でも、アリはさなぎになってから成虫になる「完全変態」なのに対し、シロアリやゴキブリは幼虫から直接成虫になる「不完全変態」です。

シロアリは熱帯から温帯まで幅広く分布しており、日本には16種の生息が確認されています。
この内建築物に被害を与えるのは、ヤマトシロアリ、イエシロアリ、ダイコクシロアリ、アメリカカンザイシロアリの主にこの4種です。
ヤマトシロアリは北海道の旭川以南に、イエシロアリは千葉県以南の太平洋沿岸及び四国に、ダイコクシロアリは奄美大島以南に、それぞれ分布しています。
アメリカカンザイシロアリは、もともとアメリカから家具などについて持ち込まれたと考えられており、現在では全国に点々と分布しています。

●シロアリの食事

シロアリは木材を食べますが、自分ではこれを消化することはできません。
シロアリの腸の中には何種類かの原生動物が共生していて、これがシロアリの噛み砕いた木材を消化することによって養分として吸収します。
シロアリは目が退化しているため餌は匂いによって見つけます。
一般的にシロアリは松を好み、これは木材に含まれている微量の油性成分の匂いがシロアリを引き寄せています。 また、腐り始めた木材からは、シロアリの好む誘引物質ができるため狙われやすくなります。

●シロアリの巣

シロアリの巣は様々です。地中に大きな巣を作るものもい れば、木の上に作るものもいます。
巣を作る材料は、土や粘土にだ液や排泄物をまぜて作ります。
シロアリは紫外線に弱く、太陽の光にに触れると死んでしまうので、体を守るために蟻道を作ります。
餌のあるところまでは、蟻道と呼ばれるトンネルを作って移動します。

●建築物への加害

シロアリは土や木の中に巣というコロニーを作り、そこに数千から百万の集団で暮らしています。
シロアリは、 そのコロニーと建物の土台や柱などを行き来して、 ご馳走となる木の柔らかい部分を食害していきます。 表面を残して食べ進んでいくため、発見されにくいのが被害を大きくする要因のひとつです。
人間にとって大切な財産である住宅も、シロアリには食料でしかありません。
シロアリの被害を最小限で食い止めるためには、早期発見、早期対策が大切です。

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